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TOP Interview|20xx年 未来の働き方

2021.02.09 | George&Company,Inc.

TOP Interview|20xx年 未来の働き方 株式会社miraism 岡山永徳 取締役副社長 CMO(後編)

|キャリアの変遷

青山:これまでのキャリアの歩みはどのようなものだったのでしょうか?

岡山:私が大学を卒業する年に起こったのがリーマンショックでした。ある企業から広報職で内定をいただいていたのですが、取り消しになってしまいまして…。泣きそうでした。いや、泣いたかな(笑)。その後、何とかWeb広告代理店に就職ができ、リスティング等をイチから学ぶところからキャリアが始まりました。

青山:始めてみてどうでした?

岡山:Web広告代理店での仕事はやりがいのあるものでした。ただ、担当者として事業会社の方々とお会いし一緒に仕事をしているうちに、そちら側に自分も行きたいと思うようになり、株式会社エス・エム・エスに転職しました。Webマーケターとして成果をしっかりと出した後、事業の推進や経営管理の領域に携わるようになりました。その後、エンタメ系の企業を挟んで、株式会社miraismの創業に参画しました。

 

|事業家の視座

青山:そもそもなぜWeb広告代理店を選ばれたのでしょうか?

岡山:自身の適性として、営業職というよりは、デスクワークで数値管理や分析をすることの方が向いていると感じていて、Web広告代理店でのマーケターの仕事を選びました。言い方は少し悪いかもしれませんが、広告を運用し、その結果として毎日自分の生み出す成果が変わっていくのを管理画面上で見るのがゲームのようで楽しかったですね。

青山:エス・エム・エスに転職をされた経緯は?

岡山:代理店の担当者として事業会社の方々とお仕事をさせていただく中で、自分と視座が全く違うな、と思っていました。広告を出し、集客をした「その先」にまだまだ事業は続いている。自分にはその「事業感」がないことに気づいたんですよね。この先のキャリアを考えて、危機感みたいなものを感じました。そんな時にたまたまエス・エム・エスで初めてのWebマーケターの中途採用があり、そこに応募をしたんです。

青山:実際、事業会社でのお仕事はいかがでしたか?

岡山:ビジネスモデルや事業モデルを捉える視点や考え方が、私とは雲泥の差でした。代理店にいた時は正直そこまで差があるとは思っていませんでした。代理店と事業会社のどちらが良い悪い、という話ではもちろんなく、私は自分のキャリアとして、代理店で磨けるスペシャリティ以外の「ビジネスモデルや事業モデルを理解する力」が欲しかった。そういった意味ではとても価値ある経験でした。

青山:エス・エム・エス時代にはどのようなキャリアを積んだのでしょうか?

岡山:プロモーション領域で成果を出し、僭越ながら社内表彰も多数いただきました。ただ、自分の領域では成果を出しているはずなのに、どうも事業の売上が連動して上がらない。そんな経験をし、それをきっかけに自分から手を挙げ、社内異動で事業全体のモニタリングや仕組みを改善する事業推進ポジションに就きました。最後は新規サービスの立ち上げのためにマーケティングの部長に戻りましたが、そこでも事業推進の経験は生きましたね。

 

|何事かをなしとげるのは、強みによってである~ピーター・F・ドラッカー

青山:御社ではどのような未来を描いていらっしゃるんでしょうか?

岡山:「未来のことは正直わかりません!」というのが率直な思いです(笑)。ただ、どんな未来が来たとしても、その時にやりたいことをできるような基盤を作っておくのがとても重要だと思っています。

当社の経営陣は私を含め3名おりますが、私が特に拘っている点は、「個々の強みを伸ばすような経営」ですね。「できることがある」というのはそれだけで素晴らしいこと。できないことを頑張ってもらうよりも、できることを称賛し、伸ばすことが重要だと思います。そうすると、結果として他の能力も自然と伸びていったりします。できないことに囚われすぎてしまうと、自分ができることにあまり感謝しなくなってしまう。それはとてももったいないなって感じるんです。

時代の流れ的にも、スキルの切り売りを推奨する世の中になっていくだろうことを考えると、ひとつの会社に染まってそこでしか生きられない人材になるよりは、自分の強みを伸ばし、「(全部はできないけれど)これは誰にも負けない」というキラースキルを持つ方が良いと思うんですよね。自分の弱い部分が逆に得意な人がいれば頼れば良いですし、自分の弱点を補ってくれるようなサービスもどんどん生まれてくると思いますしね。

青山:おっしゃる通りですね。これからの「SANBOU」事業はどのようになっていくのでしょうか?

岡山:当社全体としてもそうですが、「SANBOU」事業としても、今いるメンバーが持っている強み以外の強みを持つような人材が集まってきてくれると良いなと思っています。そういった人材が参画することで、これまでサービス提供できなかった領域でもお客様に価値貢献できたり、より大きなことができるようになると思います。当社では「SANBOU」事業以外にも事業展開をしておりますので、当社全体のマーケティング組織としても機能しながら、事業体としての収益性もこれまで以上に高めて行けたらと思っています。

 

|未来はハッピーですか?

青山:岡山さん。未来はハッピーだと思いますか?

岡山:「ハッピーです!」と大きな声で言いたいところではありますが、結論から言うと「感じ方次第」ですね。

日本単体で言うと、色々な数値面から捉えても決して明るいという感じはしていません。あくまでも数値面からのみの話ですが、いずれにしても高度経済成長のような幸福感というのはなく、一個人の発言がともすると炎上したりするような、より高度で複雑な時代で、個人としてゲームを楽しまないといけないだろう、という感じでしょうか。今以上に深く入り組んだ難しい世の中になると考えています。

青山:そういうゲームが辛いという人からすると生きづらい世の中なのかもしれませんね。

岡山:そうですね。そういった環境を離れるという選択肢もあるとは思いますが、どうせ離れられないのであれば、そのゲームをどのように楽しむかを考えた方がハッピーだと私は思います。

まあ、ハッピーか、そうじゃないかはあくまで個人の主観ですけどね。

 

~Thoughts~

岡山さんから発せられる言葉の数々は“すべてが顧客の今のために”という真摯で裏切りのない表現で溢れているのを感じた。

これまで手掛けてきた確かなビジネス経験に基づいた知見は、移り変わりが早く、ともすると次から次へと生まれてくるテクノロジーやビジネスセオリーに振り回されかねない領域だからこそ、本質を見極める必要があったのかもしれない。

時流に流されることなく“今目の前に見えている事”を正しく理解し、愚直なまでに当たり前の事を当たり前のように実行するというのは、言葉ではとても簡単だが、実際の行動を伴うのは非常に難しいだろう。だからこそ世の中はバズワードで溢れやすいのかもしれない。魔法の杖を探すかのように。

スペシャリストとして着実に現場から経験を積み上げ、視座を上げるために事業を創り、経営の観点から俯瞰して社会全体を見渡してきた岡山さんだからこそ見える景色があるのだろう。だからこそなおさら“今、起きている事”を正しく切り取り正確に理解する事の重要性を感じているのかもしれない。そう感じた。

岡山永徳|大学卒業後、広告代理店に入社しWeb広告運用担当としてキャリアをスタートした後、日本有数のデジタルマーケティングカンパニーに転職。月間5億円に及ぶWeb広告費を持つクライアントのプロジェクトにジョインし、コンサルタントとして活躍。その後、株式会社エス・エム・エス(エス・エム・エスキャリア)に入社し、Webマーケティングの実務担当として年間MVPを複数回受賞するなどの実績を挙げ、事業企画・推進マネージャー、マーケティング部門の部門長に。株式会社ミラティブを経て、2020年1月に株式会社miraismの取締役副社長に就任。

 

【株式会社miraism】

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