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Top Interview|20xx年未来の働き方 C Channel森川 亮 CEO (後編)

2020.11.02 | George&Company,Inc.

|森川さんが考える未来の働き方とは?

青山:森川さんご自身が考える未来の働き方とは?ざっくばらんにどのようにお考えでしょうか?

森川:まず一つは、AIやロボットがすべてをやり、人間が必要なくなるような考え方はどちらかというと否定的ですかね。

青山:なるほどですね。

森川:ちょうど今日も家の近所の寺に張り紙があって、「人間は便利にする事で、人間は困っている」。技術が進む事で不幸になる領域もやはりあるのではないかとも思いますね。

青山:とても本質的ですね。

森川:人の手を使うというのはフィジカルとしても重要だなと感じます、ただ、やりたくない仕事をやるというのも世の中にとっても良くないでしょうから、いかにやりたい事をどのように仕事にしていくのかというのを考えたりしますね。そういった意味でプラットフォームとして「Lemon Square」のようなものがあるのかもしれません。

青山:なるほど、共感します。

森川:逆説的に言うと、今まではお金を稼ぐために生きてきたのでしょうが、生きるために仕事をするような領域が重要になってくるのかと。評価軸としてのお金がそこにあるのかもしれません。いずれにせよ、AIやロボットだけが仕事をして、人間だけは遊んで暮らすような世の中にはなって欲しくないなと感じたりしますね。

青山:森川さんがそのように思うのは何か理由はありますでしょうか?

森川:そうですね、この地球に産まれたからこそ、人間として地球環境が良くなったり、それ以外の生物にとって良い環境になるよう、なんらかの汗をかく必要もあるのかなと感じたりしますね。そういうのを前向きに考えるような社会にしたいです。いわゆるお金を稼いで消費して地球環境が悪くなるというのは反対ですし、オンラインだけでコツコツというのはあまり良いものではないかなと考えていたりします。

|女性が自信を持つ生き方とは?

青山:キャリアのロールモデルとしても魅力的ですし、様々なご経験を積まれてこられた森川さんだからこそお伺いしたいのですが、今後のキャリアの作り方等で一般的なアドバイスは何かございますでしょうか?

森川:女性向けのサービスを展開しているので、女性の生き方に影響を与えたいなと、考えています。

青山:つまりは、どういうことでしょうか?

森川:韓国や中国、アジアの女性達と接するととても「自信」を持っている方が多いなという印象があります。むしろ男性より強い人もいたりと。一方で日本人の女性が自信がない姿をみると、どうしたものかなと考えたりします。

青山:私も海外で生活をした経験があるので同様の認識がありますね。

森川:日本社会における女性の生き方はこうでなければいけない等の「固定観念」やこれまでの「価値観」等、それ以外にも多くの事が影響しているとも思いますが。直近でいうと、そこら辺の関心があり、悩んでいる日本人の女性の「何か」をとっぱらいたい、と考えてみたりもします。日本人女性に「自信」を持って頂き、より「自由」な生き方をしてもらいたいですね。

|未来は明るいか?

青山:様々な貴重なお話しをいただきありがとうございます。最後の質問ですが、森川さんは未来は明るいと思いますか?

森川:もちろん、未来は明るいですね。

青山:理由は?

森川:明るい未来しか考えたくないですよね。未来は人間が創るものですし、明るく考えれば明るい未来になるでしょうし、そうでなければそうでしょうし。

青山:なるほどそうですね。とはいえ、未来に対する不安や良いイメージを持たない人も実際にいたりしますが、その辺はいかがでしょうか?

森川:結局、100年前、1,000年前と比べても明らかに今の方が幸せだと思いますから。より良い社会になっていっているのは間違いありません。

私は人間を信じたいと思います。

◇C Channelのクリエイティブ風景◇

<C CHANNEL自動販売機>

<タレントやインフルエンサー用の楽屋>

<クリエーターが制作をするスタジオ>

~Thoughts~

日本におけるマーケティング4.0時代をリードする「Lemon Square」は、未来の働き方を後押しすると共に、グローバルでも大きく広がっていくように思えた。これからの社会で大切になるのは「顧客の自己実現を支援したり、促進したりするような商品やサービスを開発すること」であると言われている。まさにナノインフルエンサーがその役割を果たしていくのだろう。

昨今、DXが加速していくような話題が増えている中、デジタル社会のスピードが速まれば、より一層インターネットやソーシャルメディアが発展していく流れも、後押しされていくのは間違いない。同時にソーシャルメディアには自己実現したい人間がたくさんいるで中で女性が共感し、感動するコンテンツを手掛けている同社のメディアも加速していくであろう。

そして、森川さんのフラットで柔和な人柄から語られる一言一言は、現場の最前線で数多くの成功と失敗を繰り返してきたからこその本質的な言葉として率直に受け取れるものであり、同時に優しさに溢れていた。

その優しさは、彼自身が人生の岐路に立った際、常に人一倍「勇気」のいる決断をしてきたからこそ、自信を持てない女性の社化進出を後押しする「勇気」を与える事業を、「コミュニケーション」を通して貢献していきたいという想いが含まれているのかもしれない、そう感じた。

あなたは、あなたであればいい

May you be content with yourself just the way you are.

~マザー・テレサ~

森川 亮|1967年生まれ。89年に筑波大学卒業後、日本テレビ放送網に入社。99年、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科修士課程を修了し、MBA取得。その後、ソニーに入社。03年、ハンゲームジャパンに入社し、取締役を経て、06年10月、取締役副社長に就任。07年10月、NHN Japan(ハンゲームジャパンより商号変更)代表取締役社長に就任。同年11月、ネイバージャパン設立に伴い、ネイバージャパン代表取締役社長を兼務。13年4月、NHN Japanの商号変更により、LINEの代表取締役社長に就任。15年3月、同社代表取締役社長を退任。同年4月、C Channel代表取締役に就任。2020年5月C Channelは東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場。著書に「シンプルに考える」(ダイヤモンド社)、「すべての仕事は10分で終わる」(SBクリエイティブ社)などがある。