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Top Interview|20xx年未来の働き方カクトク株式会社 満田聖也CEO(前編)

2021.01.17 | George&Company,Inc.

2018年夏、渋谷の喧騒を離れたカフェで一人の若者とランチを共にした。どことなく線が細い印象で、言葉数も少ないが、手掛けるビジネスへの「意思」を感じさせる説得力のある話しに引き込まれた記憶があった。その人物が当時、22歳の満田聖也氏だ。それから2年、満田氏が手掛けるカクトク株式会社(本社:大分県別府市 東京オフィス:東京都目黒区)はこれまでフリーランスで活用されていた職種とは異なった「営業のプロフェッショナル」に特化したサービスを展開させていく。コニカミノルタ(株)を始め300社以上の企業との取引を実現し、営業代行会社の登録は500社を超える。今や国内最大級の7,600名を超える営業フリーランス人材が登録するまで成長を遂げた。

「誰もがプロフェッショナルとして活躍出来る世界を作る」というミッションを掲げ、新たな未来の働き方の仕組みを創り出す事業を手掛けているのは、カクトク株式会社満田聖也CEO、現在24歳。

米アップル共同創業者の故スティーブ・ジョブズ氏に憧れ、高校時代から起業関連のイベントに参加するなど、もともと起業への興味関心は高かった。高校生の頃、熊本県で主催したピッチイベント、「スタートアップウィークエンド」でメンターとなるシタテル株式会社河野秀和氏との出会いから起業を決意する。自由であり続けるため未来を創造する24歳のアントレプレナーが描く未来とは?

 

選択肢を前にした若者が答えるべき問題は、正確には、何をしたらよいかではなく、自分を使って何をしたいかである。

ピーター・F・ドラッカー

 

青山:大変ご無沙汰しておりました。以前、お会いした時と事業内容等変っているかと思いますが、現在、満田さんが手掛ける株式会社カクトクはどのようなサービスを手掛けているのでしょうか?

満田聖也氏(以下、満田):お久しぶりです。現在、カクトクは即戦力のフリーランス営業職と企業をつなぐマッチングプラットフォーム 「kakutoku(カクトク)」を展開しており、フリーランス営業職・営業代行会社の豊富な知見と経験をクライアントに届ける日本最大級の営業支援プラットフォームを展開しています。

企業は自社の商材や依頼内容にマッチした人材を業務委託契約で起用することが可能で、強力なセールスチームをすばやく構築できます。営業職の方は自身のスキルや経験が活かせるクライアントを見つけ、案件を受注することができます。

青山:営業フリーランスを活用した仕組みとしてはとても画期的ですし、特に副業が注目を集め、フリーランス人材が活躍していく世の中では、より一層のニーズがありそうですね。

満田:ありがとうございます。登録して頂いている営業フリーランスの人数も7,600名を超えており、一口に営業といっても幅広く、法人営業から始まり、紹介営業、テレアポ、SaaSのインサイドセールス等に対応し、皆さんの出身企業も日本を代表する大手企業出身者で構成されていたりします。

青山:コスト面等の費用対効果はいかがでしょうか?

満田:一般的な営業職の活動内容や、レベル感にももちろんよりますが、正社員での活用と比べて、営業フリーランスの活用でコストは約1/3程度に抑える事が出来ると考えています。

青山:経営をしていく上でとても魅力的ですね。

満田:そうですね。また、企業の性質や課題に応じた2種類のプランがあり、商材の営業検証から依頼したい企業様向けのものと、プレイヤー人材やプロジェクト要件が固まっている企業様向けのものもございますね。

|起業の経緯について

 

青山:そもそも、満田さんの起業の経緯はどのようなものだったのでしょうか?

満田:高校生の頃から起業を意識はしていました。その頃はまだ俗っぽい考え方でしたかね(笑)起業で成功してお金持ちになりたいとか、起業家ってカッコ良いよね、のような。そういった話しを友人とも漠然としていたりと。

青山:まだ、高校生ですからね。

満田:そんな中、起業家にとって「プレゼン」が重要だよねとなり、スティーブ・ジョブズへの憧れもあったのですが、ピッチイベントを地元の熊本で始めました。一回20名ぐらいの規模感でした。そこで偶然ですが熊本でスタートアップウィークエンドを運営をしている方と知り合いになったんです。

青山:シタテル株式会社の河野さんと知り合うわけですね。

満田:はい。シタテルCEOの河野さんが審査員で入っていらっしゃって、まさにこの時がスタートアップへの入り口ですね。

青山:実際、お会いしてお話しを聞いてみてどのように感じたのでしょうか?

満田:起業云々の前に、それまで自分が考えていたよりも、スタートアップで働く人達の“社会課題解決”に向かっている姿が純粋にカッコ良いなと感じました。大企業出身者や有名企業での地位を投げうって、チャレンジしている姿というか。そこから、自分も世の中の課題を解決していく仕組み作りや文化を創っていきたいなといった、社会に対する影響力への志向に変わっていきましたね。

青山:とても共感します。根底から意識が変わったんですね。

満田:その後、大学一年生の時にシタテル株式会社にインターンシップで参加し、初めて営業をやりました。シタテル社に「営業職」で働くメンバーがいなかった時代ですね。

青山:実際、やってみていかがでしたでしょうか?

満田:営業をやってみて強く感じたのは、“営業は価値のある仕事なんだな”と感じました。当時、シタテルはアパレルのセレクトショップのオーナーさんと工場を結びつけて、オリジナルの商品を工場の間に入るような感じの営業活動でした。

それまで様々な要因で工場とオリジナル商品に関して取引が出来なかったオーナーさんに対して、「それが叶えられますよ」という営業だったんです。その時感じたのは、これだけ情報社会になっても、情報の非対称性を埋めるものや、一歩踏み出させるようなサービスがまだまだ不足しているのを痛感いたしました。

つまり、営業とはニアリーイコールで言うと、“社会をアップデートするような仕事”だなと、すごいやりがいがある仕事だと感じました。

青山:とても共感いたします。

満田:その後、営業組織を拡大していくというミッションを頂き、採用活動をしたのですが、なかなか営業職の方の採用が出来なかったんです。2014年頃は、まだスタートアップに転職するのに勇気がいる時代でもありましたが。

青山:たしかに今とは採用シーンでの考え方が異なっていましたね。

満田:また、社会をアップデートする感覚でいくと、もっとやりがいのある営業の仕事を広めていきたいなという想いも出てきていました。副業として依頼できる方も幾ばくかいらっしゃったんですが、副業の方1名だと企業にとって大きいインパクトも出ず、制約条件も多かったんですね。

ただ、“規模”で抱えれば企業にとっても魅力的ですし、働き方も変えられる。それに営業をされる方にとっても魅力的な商材を売る機会を創出し、やりがいを感じて頂けるなと。つまりは「戦略(仕組み)」と「働き方」も変えられると感じ、自身が掲げていた「世の中の仕組みや文化を変える」という目的に合致したんですね。

青山:まさに、志に沿った形ですね。

 

|起業をして感じた「変化」

 

青山:実際、起業をされてみてどうでしたでしょうか?

満田:当初、副業での営業の方と企業のマッチングから始まったんですが、売れ始めるまでは結果が出にくかったです。やはり制約のある副業での働き方や、歩合制のマッチングの成果報酬だとなかなか結果に結びつき難いと感じました。

ただ、唯一フリーランスの方が上手くいっていたんです。それで、固定報酬を前提として、よりコントラブルな営業力でのソリューションに切り替えました。2018年頃にフリーランスの方で固定報酬のマッチングの仕組みにシフトしたんです。

青山:なるほど、そういった経緯だったんですね。

満田:実際、その仕組みで進めてみるとサービスが伸び始め、フリーランスの方からもスタートアップの魅力的な商材が扱える喜びの声も増えてきたり、フリーランスのママさんが年収1,000万円の方が出てきたりと。また、売り上げが大きくなった方は法人化をし代行会社を設立し、年商で数千万円規模にまでなったりというのもありました。

青山:様々な変化が起き始めたんですね。

満田:世の中に変化が起きているのを実感が出来ましたので、やってて良かったなと思いました。また、コニカミノルタ様では、Web商談をさせて頂いているんですが、Zoom等で録画された商談の内容等を共有させて頂いたものが、社内のOJTにも利用されていたりします。

青山:クライアントにとってはとても有益な情報ですね。

満田:これまで商談は「アナログ」な世界だったり、営業代行がブラックボックスしやすい中、現場の正社員以上の付加価値を提供出来るような仕組み作りを努めております。

 

|カクトク社が考える新しい働き方とは?

 

青山:カクトク社が考える新しい働き方とはどのようなものでしょうか?

満田:短期的な(世の中の)変化としては、職種に関わらず個人がどこに住みたいか?誰と一緒にいたいか?どういう時間帯で動きたいか?によって、カスタマイズが出来る世の中へと、より良い形で進んでいくのではないかと考えています。

青山:実際、そういった流れが進んでいる印象がございますね。

満田:例えば、弊社のサービスを利用して頂いている企業さんでもこのポイントの時間帯でお仕事を任せたいというニーズがあったり、逆もまた然りでこの時間帯だけ働きたいというフリーランスの方もいるわけで。時間問わずの働き方もWeb商談等が前提となる事で自由になったりします。短期的には「カクトク」を通して世の中に“働き方のデファクトスタンダード”を提供できると嬉しいですね。

青山:多くのニーズが出てくる印象がありますね。

満田:例えて言うなら、ハイスキルのパートタイマーの方という印象でしょうか。

青山:なるほど、確かにそうですね。

満田:長期的にはもっと大きな変化として、「労働」が「趣味嗜好」に近づいていく世の中になっていくのかなと、考えたりします。「YouTuber」や「プロゲーマー」の出現のように、趣味が仕事に近づいていっている現実があります。将来的に人間は(今のように)働かなくてもよくなる時代になるのかもしれません。働くことが義務ではなくなるといった感じでしょうか。労働と趣味が曖昧化していくと、営業を趣味としてやるような人が増えてくるのではないかと考えます。

例えて言うなら、学校という社会は、本来勉強をする場所ですよね。つまり「学力」を基にヒエラルキーが形成されていると思うんです。ただ、部活動のサッカーが得意という人にとっては、部活動の中で新たなヒエラルキーが確立され、学校という社会の中で自分の尊厳が保たれるような状態になっているのかもしれません。それが、実社会で言えば「YouTuber」であったり、「プロゲーマー」であったりするのかもしれません。

現在カクトクが提供しているサービスは、それらと比べるとまだまだ遠いのですが、趣味として営業をやると“楽しい”といった、エンターテイメントのようなプラットフォームになっていくと面白いだろうな、と感じています。

青山:なるほど。その際、本業はどのような形になるのでしょうか?

満田:趣味が本業になるイメージで、趣味=本業=営業のように、未来のプロフェッショナルとは、趣味を仕事にし、仕事が遊びになる世界は十分にあり得るのかと。

自分のやりたい事で一定の対価を貰え、仕事が遊びに変わっていくのかもしれません。

 

<後編に続く>

・満田さんが考える未来の働き方、メリット・デメリットとは?

・未来はハッピーですか?

・ハッピーとは「何」か?

満田聖也|カクトク株式会社(2016年創業) Founder&CEO。 営業即戦力マッチングプラットフォーム「kakutoku(カクトク) 」を運営。立命館アジア太平洋大学(APU)在学時に起業。同社が手掛ける「kakutoku」は日本最大級の営業特化型マッチングプラットフォームへと成長し、フリーランス・副業の営業職の方と、営業力を強化したい企業を繋ぐサービスとして、日本全国7,600名以上の営業職の方が登録。